はじめまして。
白髪老師のサバ男です。
仕事は日本語教師。
外国人のビジネスパーソンに日本語を教えています。
年齢はまもなく還暦をむかえます。
コロナで巣ごもり生活がつづいたせいなのか知りませんが、最近めっきり白髪がふえてしまいました。
歳に抗ってもしょうがないので、まあいいんですけどね。
さてさて、簡単に日本語教師になった経緯を説明させてください。
私は日本語教師になって、10年弱。
それまではずっとIT企業に勤めていました。
大学を卒業したのは1985年。
当時のIT企業は、大型コンピュータを使ったシステム構築が主流です。
ひたすら人海戦術でプログラムをコーディングしていったものです。
まだパソコンなどない時代、端末の使用時間は限定されていました。
当然生産性は低く、終電・徹夜は当たり前の世界でした。
社員は大量採用。
1年後に半分残っていれば上等くらいの感じでした。
体力勝負の仕事の進め方でしたから、私も30歳くらいで別方面に進もうかと思っていました。
ところが、Windows3.1が世に出てから状況は一変。
企業がパソコンを使って仕事をするのが普通になりました。
インターネットの普及もあいまって、作り出すシステムも激変しました。
体力勝負でシステムを作るなんてことは過去のこと。
日本のコンピューターメーカーの製品だけを使う時代ではなくなったのです。
というより、アメリカの製品を使うしかなくなったというのが本当のところ。
ところが、製品の日本語化がまだ進んでおらず、マニュアルなどはみんな英語。
これは困りました。
そこをビジネスチャンスと見たのが外国のエンジニアたち。
まだバブルの余韻が残っていましたから、日本で働きたいと考える人は多かったのです。
特にインド人。
英語ネイティブですし、理数系の能力は高い。
日本人が英語を習得するより、彼らが日本語を習得するほうが効率的。
会社としても、日本語ができるエンジニアに来てもらったほうが楽ですからね。
私も一緒に仕事をしましたが、初対面の時はぎこちなかった日本語も、2年たってプロジェクトが終わるころにはかなり流暢になっていました。
忙しい中、どうやって日本語を勉強していたんだろうと思ったのを覚えています。
当時は気がつきませんでしたが、おそらくこれが日本語教育を意識したきっかけだったと思います。
月日が流れ、iモードやらスマホやらが世の中を席巻。
もう50歳近くになって、さすがにプロとして流行を追うのもきつくなりました。
会社では50歳になったら早期退職制度の対象者になるので、50歳を機に退職しました。
やめて何をしようかと思っていた時に、目についたのが日本語教師でした。
人口が減り続けている日本は、これから働き手が不足するのは目に見えています。
そこで政府がとったのが外国人労働者の受け入れ拡大。
インド人技術者との経験もあり、これは日本語教師の需要が伸びると思い転身したのです。
その後、東京オリンピックも決まり日本への観光客も激増し、2020年までは狙い通りだったのですが・・・。
それはさておき、日本語教師になるには日本語学校などが開設している養成講座を受講するのが一般的です。
養成講座では、日本語を日本語で教える方法を学びます。
その方法は、私が中学高校で学んだ英語の授業とはまったく違いました。
中一の初めての英語の授業。
教科書を開くと、こんな英文が載っていました。
This is a pen.
I am a boy.
she is a girl.
今となってはどうしてこんな文を最初に持ってきたのか意図はわかりません。
ただ、当時から批判があったのは覚えています。
この文3つとも、見ればわかること。
わざわざ口にする機会があるのかどうか、ということです。
この批判の背後にある思想としては、言葉はコミュニケーションで使うというものがあります。
コミュニケーションで使わない表現覚えてどうするの、ということです。
現在の日本語教育も、まさに日本人とコミュケーションをとるためにどう学んでもらうかという考えから行われています。
そしてその方法はかなり効果的です。
実際、初級のテキストを終えた学習者は、かなりのレベルの意思の疎通が可能です。
語彙と漢字だけ覚えれば、日常生活にはほとんど困らないはずです。
そんな人が特別優秀ということでもありません。
初級を卒業する人は、ほとんど話せるようになるのです。
一方、日本人の英語はどうでしょう。
海外旅行で自分の希望を伝えるときや、日本で英語で道を尋ねられたときも四苦八苦する人が多いのではないでしょうか。
日本語教師になった今、その理由はなんとなくわかります。
効果的な英語の学習方法をしていないからです。
外国人が日本語を学ぶ方法で日本人が英語を学んだら、話せるようになる可能性は高いです。
このブログでは、その方法やおすすめするツールなどをご紹介していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
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