こんにちは。
白髪老師のサバ男です。
外国人に日本語を教えています。
英語の勉強、わかっていてもなかなかうまくいかないことが多いですよね。
その結果、英語学習に挫折してしまう人のなんと多いことか。
挫折には明確な理由があるもの。
そして、その理由は大体共通しています。
となれば、その理由を解決すれば英語学習もはかどることになります。
雑誌「PRESIDENT」の2022年4月29日号には「ここに気をつけろ! 語学学習6つのワナ」という記事が掲載されました。
この記事は、英語学習でつまずくポイントを1000人の調査から明らかにしたものです。
日本での英語学習は、19世紀以来の長い歴史があります。
ある程度は習得するための方法は確立されています。
その方法に則って学習すれば、話せるようになるはずです。
それでも挫折してしまうのは、学習者側に理由があります。
PRESIDENT誌はその内容と対処方法を書いてくれました。
日本語を勉強する外国人学習者も同じです。
共通の日本語の授業を受けても、理解できる人と理解できない人とにわかれます。
日本語教師側も理解できない人向けにフォローを行っていますが、やはり学習者の取り組み方が大きいです。
PRESIDENT誌の記事を読んで、どの言語でも同じなのだなと感じました。
そこで、悩める英語学習者向けに日本語教師の立場から、挫折する理由とその対処方法を考えてみたいと思います。
PRESIDENT誌のアンケートでわかった英語学習で挫折する理由
雑誌「PRESIDENT」の2022年4月29日号には、挫折した理由のアンケートが掲載されていました。
理由として多かったものから5つ並べると内容は以下の通りです。
2.モチベーションがなくなったから
3.学習効果を実感できなかったから
4.英語を使う必要性に迫られなかったから
5.暗記が苦手だから
なるほどと思う内容です。
「もうだめだ!」と思った心理をうまく因数分解できています。
英語学習で挫折しないためにはどうすればいいか
「挫折」ということは、少なくとも一度は英語学習を行っているはずです。
また、どのようなものであっても目標があったはずです。
それが続かなかったこと、または目標に到達できなかったことで「挫折」という結果が残りました。
英語学習を一つのプロジェクトとすると、挫折はプロジェクトの失敗ということになります。
であれば、プロジェクトマネジメントをうまくやれれば、失敗の可能性も低くなります。
そこで、意識するのがPDCAサイクルです。
PDCAとは
PDCAは品質管理など、とくにビジネスの業務管理における改善方法です。
Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の頭文字をつなげたもの。
それぞれ以下のようなプロセスになります。
Do(実行):計画に沿って業務を行う。
Check(評価):業務の実施・成果が計画・目標に沿っているかどうかを評価する。
Act(改善):実施が計画に沿っていない部分を調べて改善をする。
PDCAはマネジメントの基本でもあります。
何かやろうとすると、いつまでにどうなればいいかというゴールを設定しますよね。これがPの部分。
Pの内容に基づいて立てた計画を実行します。これがD。
Dが計画通りに遂行できているのか確認・評価するのがC。
Cの結果を踏まえて、改善案を考えていきます。これがA。
Aの改善案を再度Pに反映し、さらにD以下の内容を繰り返していきます。
PDCAは、何か行う時にはすべてのことにあてはめることができます。
もちろん英語学習も同じです。
英語学習ではPDCAを意識しましょう
それではどうやって英語学習に生かしていけばいいでしょうか。
まずはPとD
英語学習を始めたときは、漠然としたものであっても何か目的があってはじめたはずです。
まず、これをいつまでにどうなっているかをはっきりさせるべきです。
ここがPの部分。
例えば、半年後にニューヨークに観光するのであれば、そこまでに旅行で使う表現をマスターするとかです。
なるべく具体的にイメージするのがコツです。
そうすると、どのように勉強するかが明確になりますから、道筋がみえてくるのですね。
旅行英会話の本を半年で覚えるとか。
逆に、目標が漠然としたままだと勉強もぼんやりしたものになります。
日本語レッスンでも、目標がはっきりしていた人のほうがはるかに伸びています。
目標が決まったら、どのように勉強をするか大体のスケジュールを決めましょう。
1日30分かけて2ページ覚えて、週末にその週の振り返りを行うとかです。
その計画通りに勉強していくのがDになります。
ある程度進んだらCとA
ただ、計画通りに事が進まなくなるのは珍しくありません。
現在地と計画上の進捗状況を確認するのがCです。
1日どのくらい勉強できているのか、テキストはどこまで完璧に理解できているのかなど。
計画通りに進んでいなければ、なんらかの手を打たなければいけません。
1日30分の時間が確保できていなければコマ切れの時間を使うとか、理解度が今一つなら勉強時間を増やすか勉強方法を変えてみるとかなど、改善策を考えるのがA。
そしてAの改善策を新しいPにして、また進めていきます。
これを繰り返していきます。
大事なのはPとA
英語学習において大事なのはPとAだと思います。
最初に立てる計画が一番理想的なもののはず。
なんらかの理由で計画通りにいかなくなったとき、どのように立て直していくかは、実現性のある改善案を考えられるかどうかです。
どうしても当初の計画が実現できないようなら、目標を一段階下げる勇気も必要ですね。
英語学習で挫折する理由はPDCAで解決できる
英語学習に挫折した理由をもう一度見てみましょう。
1.学習時間の確保ができなかったから
2.モチベーションがなくなったから
3.学習効果を実感できなかったから
4.英語を使う必要性に迫られなかったから
5.暗記が苦手だから
これらはPDCAで解決できます。
繰り返しになりますが英語学習をはじめるにあたり、しっかりした目標設定が必要です。
「モチベーションがなくなった」のは、この目標が途中で変わったか、最初の設定がずれていたことが考えられます。
この場合は新たな目標を設定しなおすことでしょうね。
最初の目標のままだから、挫折した心境になるのでしょう。
「英語を使う必要性に迫られなかった」もある意味同じ。
必要だと思っていたのに実は必要ありませんでしたということなら、目標自体が誤っていたと言えるでしょう。
この場合でも、話す・書くといったアウトプット系は不要になっても、聞く・読むといったインプット系はこれからも必要になってくるはず。
なので、読解と聴解のスキル向上に目標を変えてみるのもいいでしょうね。
「学習時間の確保ができなかった」のは、最初の計画に無理があったのか、予定していた学習時間を途中からとれなくなった事情ができたのかのどちらか。
これはしっかり分析すべきですね。
最初から予定時間の確保が無理だったのなら、もっと少ない時間で進めるような計画変更が必要です。
そのうえで、目標を変更するか24時間の過ごし方の配分を変えるかなどを決めていきましょう。
「学習効果を実感できなかった」のも目標設定に誤りがあった可能性がありますが、使用した教材や学習方法の問題でしょう。
本にしろ教材にしろ、必ず使い方や勉強方法の説明があります。
まったく売れていないものならともかく、定評のあるものなら指示通りにやっているのか確認しましょう。
意外と自己流でやっていることが多いものです。
もし指示通りにやっていないなら、もう一度やり直してみましょう。
それでもだめなら、教材が合っていなかった可能性が高いです。
いずれにしろ効果がなかった理由を確認して、どうすればいいかを考えましょう。
最後の「暗記が苦手」は難しいですね。
暗記のための練習回数がすくないのかもしれませんし、学生時代のトラウマが残っているのかもしれません。
これは、何をどのくらい練習して、結果どのくらい記憶に残ったか、記録を取り続けることでしょうね。
従来のやり方では暗記できないのはわかっているわけですから、試行錯誤して自分にとって一番効果のあるやり方を見つけることです。
これこそまさにPDCAサイクルそのもの。
うまくいかなかったら、その原因をみつけて改善をおこなう。
おそらくみんな無意識にやっていることです。
挫折の要因は他にもあるでしょうが、いずれにしろ英語学習はそんなに難しく考えずに、最初からうまくいくはずがないくらいに割り切って色々取り組んでみるのがいいと思います。
まとめ
英語学習を挫折した理由について考えてみましたがいかがだったでしょうか。
誰しも英語を話せるようになりたいと考えるものですが、目の前に高い壁があるように感じてしまうのは無理もありません。
英語を自由自在に使いこなす人は珍しくありませんから、そんな人を見てしまうからでしょう。
英検一級とかTOEIC999点とか、目標を高く持つのは悪いことではありませんが、まずは手の届くところを目標に定めてみましょう。
その目標が達成できたらもう少し高い目標にしてみる。
もし停滞するようなら方法を振り返ってやり方を変えてみる。
この繰り返しです。
こうしてPDCAサイクルを回していくのが挫折を防ぐ一番の方法なのです。
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うまく英語が話せないとお悩みのあなた。
外国人に日本語を教えてきた私が、外国語教育の観点からお手伝いします。
英語学習教材の良し悪しについてもお気軽にどうぞ。
白髪老師のサバ男でした。
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