キクタン英会話の勉強方法はこうすれば効果あり

kikutaneikaiwatop 英語教材レビュー

こんにちは。

白髪老師のサバ男です。

外国人に日本語を教えています。

株式会社アルクは英語学習者にとって学習用の書籍や教材でお世話になっている会社。

そのアルクが出版しているのが、書店の英単語のコーナーでおなじみのキクタンシリーズ。

英単語を覚えるための本として、人気を誇っています。

外国語を学ぶのに、絶対に乗り越えなければいけないのが語彙の習得。

高校や大学の入試で無味乾燥な単語帳を覚えたことのある人は、英単語と聞くだけで嫌になる人も多いはず。

英文法の学習と並んで、不人気のツートップです。

絶対必要なのにみんなやるのが大変ということであれば、そこにはビジネスチャンスがころがっています。

効率的に英単語を覚えることができる方法があれば、当然人気がでます。

キクタンはそれに成功しているようです。

ご存じのように日本語には漢字・ひらがな・カタカナの3種類の文字があります。

ただでさえ、多言語との共通点が少ない日本語を勉強する外国人がうんざりすることの一つです。

ただ漢字には、部首が同じであれば同じ性格のものとして連想できるという利点があります。

日本語の学習者に対してはこういったところから教えていくと興味をもって覚えていく人も多いです。

英単語の場合は、ローマ字26種類の組み合わせ。

接頭辞や接尾辞などの手掛かりはありますが、基本は覚えるしかありません。

単純な分、覚える作業は苦行に変わります。

英文はごく一部の表現を除いて、2個以上の単語から構成されます。

単語を一つずつ覚えるよりも、英文の中で覚えていったほうが実際に使うときにも効率的です。

キクタン英会話はそのコンセプトからつくられていますから、ユーザーの支持を集めているのでしょう。

そのキクタン英会話をどのように使えば効果的な勉強法になるか、以下書いてみたいと思います。



アルクのオンラインショップ

販売業者 株式会社アルク
運営責任者 福西 佑太
所在地 東京都千代田区九段北 4-2-6 市ヶ谷ビル
メール csss@alc.co.jp

 

キクタン英会話の特長

キクタンは書籍版のものとアプリ版のものがあります。

キクタンを使うならアプリ版をおすすめします。

書店で目にする書籍版にはいくつかバリエーションがありますが、他の単語集や英会話本とそれほど変わりません。

書籍についてはわざわざキクタン英会話を選ぶ必要性は高くないと思います。

以下、アプリ版のキクタン英会話として説明します。

英単語の勉強は単語集を覚えることに非ず

電車の中で英単語を勉強している人は各車両に一人はいるくらいよく見かけます。

使っているテキストは、高校・大学受験用の物もあればTOEIC用のも。

もちろん英単語を覚えるのは英語学習に必須なのですが、この勉強法は副作用もあります。

多くの単語集では、英単語と日本語の意味が1対1で記載されています。

試験でよく問われる意味が限定されているから無駄を省くためしょうがないのですが、会話で使うとなるといささか不安。

というのも知っている英単語にふれると、自動的に1対1の日本語訳にリンクされてしまうからです。

たとえば、promiseという単語。

ほとんどの人が「約束」をイメージするはずです。

ところが、この英文をみるとどうでしょう。

ある絵をみた人が、絵を描いた人に言った文です。

Your work shows great promise.

「約束」でとらえると意味不明です。

promiseには、有望という意味があります。

あえて日本語に訳すと「あなたの作品は将来有望だ」となります。

この意味を知らないと、実際に上記の英文が会話で出てきた場合、頭の中は???となるはずです。

なので、特に会話用に英単語を習得する場合は、会話文の中で使われる形式で覚えなければならないのです。

スキットを通しての英単語学習

キクタン英会話では、単語のみにフォーカスしているわけではなく、会話文で構成されているスキットを通して語彙を習得できるように構成されています。

勉強方法は以下の3ステップ

MODE 1  WORDS(単語、日本語)
MODE 2  CHUNKS(意味のかたまり)
MODE 3  SENTENCES(会話)

まずは英単語だけでリスニングとリピート(MODE1)。

次に対象となる英単語を含んだセンテンスでのリスニングとリピート(MODE2)。

これらを繰り返して、ある程度理解できたらそのUnitのすべての単語が使用されたスキットのリスニングとリピートです(MODE3)。

kikutan3modestudy

このスキットでの練習方法で、学習対象の語彙をどのような状況で使うのかがわかります。

想定学習時間は1日30分

キクタンの公式サイトによると、1日の学習時間は30分程度。

これを1週間5日でおこない、すべて終わるのに3ヶ月と想定しています。

kikutancurriculum

その結果、1680語の英単語が習得できるとのこと。

これはまったく無理のないスケジュールです。

1680語に加えてある状況下でどのような表現を使うかを、効率よく習得できる教材だと思います。

キクタン英会話の効率的な勉強方法は

キクタン英会話を使った効率的な勉強方法は、端的にいってスキットの会話文を「聞いて話して」を繰り返すことです。

MODE1とMODE2の部分は、ほとんどのCD付きの英単語の書籍でも学習できます。

ただ、いかにも単語を覚えましょうというような内容。

書籍の場合はCDに収録できる時間が限られ、かつより多くの単語を詰め込まなければなりませんからしょうがありません。

その点キクタン英会話の場合はその縛りがありませんから、スキット部分まで収録できます。

MODE3の練習こそがキクタン英会話の肝の部分。

意味のある会話文を繰り返し口から出すことで、単調な記憶作業から解放されます。

スキットの場合は複数の文で構成されていますから、そこにはストーリーがあります。

そのストーリーの中での表現ですから記憶に残りやすいのです。

ですから1日30分の学習時間のうち、MODE1と2はごく簡単に済ましてMODE3に注力することをおすすめします。

おそらくカリキュラムが終了する3か月後には相当部分の英単語のストックが完成されているはずです。

キクタン英会話のメリット

キクタン英会話のメリットにはどのようなものがあるでしょうか。

日常生活に必要十分な単語に絞られている

キクタン英会話で学習する語彙数は1680個。

公式サイトによると、この数にしたのはアルク社が制作したSVL12000語の基本語彙(Level1〜6)から厳選したとのこと。

中学校の英語で学習する単語数が1200個程度ですから、中学校で学ぶ英単語よりも多い数です。

中学校の英語のレベルではCEFRでいうとA1のレベル。

日常会話のレベルです。

CEFRについてはこちら

学習する語彙数で判断すると、日常会話でなんとか意思疎通できる数と言えます。

状況に応じた表現が頭に入る

キクタン英会話はスキットをベースにして学習する方法が効果的。

英単語のスペルと音、それと日本語訳を紐づけて覚える方法とは違います。

スキットを中心にした方法で勉強すると状況に応じた表現を覚えていくことになります。

その分、実際の会話で使う表現が頭に入っていくことになるのです。

キクタン英会話のデメリット

メリットはそのままデメリットにもなりえます。

上級を目指すには単語数が不足

前述のとおり、キクタン英単語で学習する語彙は日常会話でマスターすべき内容。

逆に言えば、キクタン英会話のみでは日常英会話以上のものは習得できないということになります。

学習対象者が入門~初級レベルということで、すでに相当数の語彙をマスターしている自信のある人には向かないでしょう。

関連語彙と連動した記憶が難しい

単語を覚えるコツのひとつに、接頭語や接尾語が共通のものをまとめて覚える方法があります。

また、語源が同じものはイメージできるものが同じなので、そこから覚える方法を紹介している書籍も人気になっています。

これらは、単語のイメージを横串にして覚える方法。

漢字の部首から覚える方法に似ています。

キクタン英会話の場合は状況で使われる表現で覚える方法ですから、類似語を展開して覚えるにはちょっと弱いです。

まずは1620語の定着を目指すというコンセプトですから、やはり初級者向けの教材と言えます。

キクタン英会話を外国人向け日本語教育にあてはめてみると

外国人が日本語を勉強する場合、多くの人は日本語学校に通います。

日本語学校で勉強すると、比較的短期間で日本語が話せるようになります。

多くの日本語学校が行っている初級者向けのレッスンは以下のような流れ。

japaneselessonseq

日本語レッスンでは短い文を使って学習対象の表現を説明します。

これが導入です。

それから、学習表現をつかってリピート練習や語句を入れ替えた代入練習を行います。

練習の後で、実際に使用する状況を使って会話練習を行う定着の確認を行います。

導入→練習→定着の確認。

これを学習項目ごとに繰り返していきます。

キクタン英会話の場合は、会話で使える語彙を覚えるのを主目的としています。

いわば、導入と練習の組み合わせ。

定着の確認に相当する教材やスクールなどと組み合わせて使うべき教材でしょう。

キクタン英会話の評価

キクタン英会話は間違いなく初心者向けの教材です。

1日の学習語彙は12個ですから無理なく進められるでしょう。

内容も易しいですから、難しくて脱落する人はそれほどいないと思われます。

受験勉強の無味乾燥な英単語記憶に疲れた人には、リハビリ的に使うのもいいでしょう。

ただ、英語学習が進んだ人にはちょっと物足りなく感じるかもしれませんね。

まとめ

キクタン英会話は、会話文を中心にして英単語をおぼえるための教材。

単語集に掲載されている英単語をひたすら覚えるような内容ではありません。

それだけに、会話文を繰り返し聞いてその内容をリピートしてといった、耳と口を使った勉強方法が効果的です。

当然ですが、英会話力をレベルアップしていくには語彙を増やしていかなければなりません。

初心者向けの教材ではありますが、会話で使う表現をどうやって覚えていくか、一つの成功体験としてキクタン英会話を使ってみるのもいいのではないでしょうか。

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白髪老師のサバ男でした。

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