NOVAの講師が全員外国人である必要はあるのか

NOVAtop1 英語教材レビュー

こんにちは。

白髪老師のサバ男です。

外国人に日本語を教えています。

かつて駅前留学のキャッチコピーのCMで人気を集めたのが、英会話スクールのNOVA。

もう20年近く前になりますが、拡張路線がたたってか一度運営会社が倒産してしまいました。

それでもNOVAというブランドには価値があったようで、その後は別の運営企業が引き継いで現在でも全国展開をおこなっています。

2022年1月現在では、全国に295箇所での拠点があるようです。

それだけ支持を集めているといえますね。

NOVAの教室は、都市部ではちょっと大きい駅の近くにはたいていあるといっても過言ではありません。

英会話のレッスンでわざわざ時間と交通費をかけて行かなければならない他の学校と比べると、利便性は高いと言えます。

これにレッスンの質が高ければ言うことはないですね。

というよりも、むしろ大事なのはこちらの方。

レッスンの質を決めるのはレッスンのカリキュラム内容にもよりますが、講師のレベルが大きいです。

人にものを教えるにはそれなりの訓練が必要なのは、あらためて説明するまでもありません。

受講を申し込む前にはどんなレッスンが行われているのか、どんな人が講師なのかは当然気になるはずです。

NOVAの売りのひとつが、講師が全員外国人という点。

外国人に教わるなら、英語が話せるようになるように思えます。

私は日本語教師ですが、日本語教師になる前には養成講座で理論と実習を学びました。

まったく日本語をしらない外国人にどうやって日本語を教えるのかは、先人たちの試行錯誤の結果、ある程度のやり方が確立しています。

日本人にとって英語は外国語ですから、外国人が日本語を学ぶのと変わりはありません。

そこで日本語教育の観点からNOVAが採用している、講師が全員外国人である必要があるのか見てみたいと思います。

国内に英会話スクールは大小問わず、数多あります。

その中でも知名度ではトップクラスのNOVA。

通学を検討されている方はぜひご一読ください。


駅前留学のNOVA

販売業者 株式会社NOVAランゲージカンパニー
運営責任者 代表取締役社長 隈井 恭子
所在地 東京都品川区東品川2-3-12
シーフォートスクエアセンタービルディング 9F
電話番号 03-4405-7075

NOVAの特長

かつて人気英会話スクールだったNOVAは、一度倒産状態になりました。

その反省をいかしてか、現在では受講生の立場にたったレッスンスタイルを確立しています。

入会金無料・月謝制

現在のNOVAは入会金無料・月謝制となっています。

これはかつて受講料を前払いしたのに倒産したことで受講できなくなる人が多数発生し、社会問題になったことを踏まえてのことでしょう。

一番費用が安く済むグループレッスンの場合、月4回で税込11,000円、1レッスンあたり2,750円となっています。

他校では、1か月あたりいくらという表現なので、かつてのNOVAのような前払い制だと思われます。

各校、レッスン体系が異なるので単純比較はできませんが、TVCMでよくみかける英会話スクールのグループレッスンの費用を調べると以下の通り。

NOVA A校 B校 C校
支払金額 11,000円

(4回/1か月)

156,860円(概算)

(20回/2か月)

247,500円(概算)

週1回・計45回/1年

195,600円(概算)

週1回・計40回/1年

1レッスンあたり 2,750円 8,000円弱 5,500円 4,890円

他校と比べるとリーズナブルな価格です。

さらに、定期的に通えない人にとっては費用を無駄にしない支払い方法だと思います。

全国どこの校舎でも受講可能

レッスン内容は電子カルテで管理されていて、特定の校舎だけでなくどこのスクールでも受講することが可能です。

平日は会社の近くの校舎、休日は自宅最寄りの校舎で受講できます。

思い立ったら旅行先でも可能ですね。

日本中にネットワークを広げているNOVAならではでしょう。

NOVAschool

北は北海道・旭川から南は沖縄・宮古島まで、県庁所在地を中心に全都道府県に教室があります。

中には「こんなところにNOVAが!」と思うような場所も。

NOVAのサイトで教室の検索ができますので、在住の県になくても1番近いところにある教室を検索して入会を検討してみてもいいのではないでしょうか。

NOVA自慢の「講師は全員外国人」の必要はあるのか

NOVAのサイトをみると、NOVAの自慢として最初にあがっているのが、講師が全員外国人という点。

teacher

「外国人」ということは、日本国籍ではない人も含むので、おそらくその言語のネイティブスピーカーということでしょう。

私は必ずしも講師は外国人の必要はなく、教えるスキルのほうが重要と考えます。

以下、説明していきますね。

講師の採用条件では英語教育の経験不問

これを読んでいる皆さんは、日本語はわかるはずです。

かといって、明日からウクライナから避難してきた人に日本語を教えてくださいと言われると、ほとんどの人は無理と答えるでしょう。

いくらネイティブスピーカーでも、外国語習得理論をマスターしていないと効果的に教えることはできません。

日本語の教育機関で日本語を教えるときは、講師の採用条件として大学の専門課程や、日本語教師養成講座の修了を条件としていることがほとんどです。

ある程度日本語を教えるだけのスキルがあると担保できるからです。

お金をもらう以上は、一定レベルのサービスを提供する義務がありますからね。

この点、NOVAの講師の採用ページをみてみると経験は不問と書いてあります。

求められる条件はネイティブレベルの英語力のみ。

採用後に研修を行うようですが、それほど長期間ではないようです。

もちろん、採用にあたっての選別はあるでしょうし、教えるのが生まれつき上手な人もいるでしょうが、講師個人の能力によるところが大きいと思います。

講師が備えているスキルがどのようなものなのか、学習者に示してほしいところです。

ネイティブスピーカーでないと教えられないこともある

外国人観光客からこんな聞き方をされたとします。

・羽田空港までのルートがわからないから教えてください。

ちょっと、カチンときませんか。

ところがこちらはどうでしょう。

・羽田空港までのルートがわからないので教えてください。

こちらはそうでもないはずです。

「AからB」も「AのでB」もどちらも理由を述べるときに使います。

実際Google翻訳をしてみると、同じ英文の表示です。

ただし、「から」のほうがAを理由にして当然Bをするという意味合いが強くなります。

人に依頼するときや謝罪のときに「から」を使うと強い口調に聞こえてしまいます。

「ので」にはこれが薄れるので、なにかを教えてもらう場合は「ので」を使うのがふさわしいのです。

このあたりは日本語ネイティブでないとなかなか使いこなせないでしょうね。

実際、かなり上級レベルの日本語学習者でも意識せずに使っている人もいます。

英語でも、so やbecause がありますし、改まった表現としてas やsince があります。

これらの使い分けの肌感覚はネイティブでないと難しいでしょう。

このようにネイティブスピーカーでないと指摘できないことはありますので、外国人講師というのが大きな利点であることは間違いないでしょう。

結局は講師のスキル次第

先ほどあげた、

・羽田空港までのルートがわからないから教えてください。

の文。

全部ダメかと言うとそんなことはなく、たどたどしい日本語で話しかけてきたら教えてあげようという気になるはずです。

もし日本語が流暢なデーブスペクター氏の言葉だったら、カチンとくるでしょうね。

このように、その人の言語能力がどのくらいかは、ネイティブスピーカーはある程度わかります。

外国語を学ぶ時は、どんな人でも必ず誤用します。

文法的な誤りは必ず指摘されなければいけませんが、問題は文法的には正しくても使用状況によってはふさわしくないような表現。

初心者なら許される表現も、中級レベルになればダメなことは山ほどあります。

kenka

この時に、どこまで誤用訂正を行うかは極端に言えば教える側の胸三寸。

学習者の社会的な地位や、使用する状況なども含めて判断しなければいけません。

文法書や教師マニュアルに書かれていることを杓子定規に教えることは、あまりよろしくありません。

このあたりをどうするかは講師の経験によるところが大きいです。

講師も人間ですから、失敗しながら教えるスキルが向上していきます。

ベテランの日本人講師と新人の外国人講師と比べると、スキルがある分日本人講師のほうが好ましいと言えるでしょう。

日本人の間違いやすいところとか、日本人のほうがよくわかっていることもありますし。

結局いいレッスンになるかは、国籍よりも講師のもつスキル次第ということが言えます。

NOVAのメリット

スクールの数ではNo.1のNOVA。

学習者が感じるメリットが大きいからこその数字です

講師が全員外国人

やっぱり、全員外国人講師というのはインパクトがあります。

勉強する時の安心感は、非英語ネイティブの講師よりもはるかに大きいはずです。

努力がうまく成果につながるかは、モチベーションが大きくものをいいます。

しかも世界中から集まっていますから、多様な英語を学ぶことができます。

普段外国人を話す環境にないひとにとっては、貴重な時間になるでしょう。

スケジュールやカリキュラムを柔軟に変更できる

社会人の場合、トラブルとかで決まった時間にレッスンを受けられなくなることが多いです。

その時は泣く泣くキャンセルになってお金を無駄にすることがあります。

NOVAはそんな人向けに、自分で予約するコースがあり、都合のいい場所・時間に受講することができます。

一般には学校のスケジュールありきで、来られなければ1コマ消化するのが普通ですから、学習者本位と言えるでしょうね。

NOVAのデメリット

メリットはデメリットの裏表の関係になることもありますね。

講師が全員外国人

メリットでもあげた、講師が全員外国人。

実はデメリットでもあります。

講師の採用ページをみるとわかりますが、ワーキングホリデーで来日する人向けの内容もあります。

全員が英語を教えたいと熱望して来日しているわけでは必ずしもないのです。

日本の英語学習のニーズは大きいですから、英語講師の職は比較的多くあります。

NOVAの講師の場合は日本で働く手段の一つとして考えている人も少なくないでしょう。

口コミでも講師がすぐ辞めるというのもちらほら見かけます。

日本に永住しようと考えている人ならともかく、NOVAに腰を落ち着けて英語を教えようとする人は、実はあまり多くないのではないでしょうか。

せっかくいい先生に当たっても、すぐいなくなる可能性は低くないようです。

具体的なレッスン内容がわからない

NOVAのサイトをみると、どんなレッスンスタイルがあるかとか、プラン・料金の説明はわかりやすくまとまっているのですが、肝心のレッスン内容がわかりません。

どんなテキストを使うのかとか、会話以外のレッスンはないのか、などです。

無料体験レッスンである程度はわかるのでしょうが、ふたを開けてみなければわからないというのはやっぱり不親切。

動画などでレッスン風景を紹介するようなものがあるとイメージしやすいと思うのですが。

NOVAと外国人向け日本語教育とくらべてみると

外国人が日本語を勉強する場合、多くの人は日本語学校に通います。

日本語学校で勉強すると、比較的短期間で日本語が話せるようになります。

多くの日本語学校が行っている初級者向けのレッスンは以下のような流れ。

japaneselessonseq

日本語レッスンでは短い文を使って学習対象の表現を説明します。

これが導入です。

それから、学習表現をつかってリピート練習や語句を入れ替えた代入練習を行います。

練習の後で、実際に使用する状況を使って会話練習を行う定着の確認を行います。

導入→練習→定着の確認。

これを学習項目ごとに繰り返していきます。

デメリットで書いたとおり、対面式のレッスンではどのようなレッスンが行われているかわかりませんが、オンライン形式のレッスンの「新・お茶の間留学」ではイラストで提示されています。

NOVAonline

この内容なら日本語教育とほぼ同じ流れ。

奇をてらった内容でないことはわかります。

オンライン形式とそれほど違いがないのであれば、正攻法のレッスン内容だと考えられます。

NOVAの口コミ

口コミは良いものも悪いものも、結構な件数をみつけることができますね。

良い口コミ

good

自分の好きな日時に予約できるので便利。しかも急用などによりいけなくなった時にも簡単に時間変更できる。価格がリーズナブル。

スタッフ、講師の優しく丁寧なご指導のもとたのしく勉強できました。ささいな質問にもにこやかな笑顔でこたえてくれ、良くわかりました。穏やかな人間性でスタッフ、講師が接してくれ感謝の気持ちでいっぱいです。

講師の知識には個人差がありましたが、総じてレベルは高かったと思います。

悪い口コミ

boo

講師によって質にかなりの開きがあった。丁寧で分かり易く指導してくれる講師と「こんなことも知らないの」との思いがありありと解る講師もいました。

講師が1回のレッスンで1レッスンのテキスト分をきちんと終わらせようとするため、わからない所があってもそのまま強制終了する。

レッスンが取りにくい。教師の質がバラバラで人気のある方は取りにくい。

NOVAの評価

一般的に語学スクールは、レッスン料は数か月分前払いのところが多く、レッスン内容に不満があったり、仕事などでレッスンに通えなくなったりしても払い戻しには応じないところがほとんどです。

広い意味ではNOVAもそうなのですが、月謝制は支払額が少なくなる点で負担が軽減されます。

この点は学習者本位で好感がもてます。

あとは講師の質です。

機械でない以上レッスン内容にぶれがあるのはしょうがないですが、一定レベルの質は保ってもらわなければなりません。

口コミをみると講師の質には好意的な内容が多いので、比較的優秀な人がそろっているようです。

ただ外国人ということもあって、講師の入れ替わりは激しい印象。

いろんな講師のレッスンが経験できるくらいの気持ちでいられればいいのですが、特定の講師以外は合わないというような人は避けた方が無難だと思います。

まとめ

全員外国人講師が自慢のNOVA。

たしかにネイティブスピーカーに教わったほうが理解は深まるでしょう。

ただしネイティブに教わるのが有効なのは、ネイティブでないとわからない微妙なことばのあやの判断くらいで、中級レベル以上でないとあまり関係ないといえます。

初級者レベルでは、語彙や文法の能力を向上させなければいけません。

これらはネイティブでなくてもできることです。

講師が外国人である必要は必ずしもないと言えます。

むしろ、講師のスキルを目に見える形で提示してくれたほうが学習者にはわかりやすいのですが。

一方で、発音やリスニングはネイティブのほうが望ましいでしょうが、世界中で話されている英語では、地域ごとに発音に差があるのも事実です。

世界中から講師が集まっているNOVAは、多様な英語を経験できるという利点もあります。

この点に価値を見出せる人には、NOVAはぴったりだと思います。

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白髪老師のサバ男でした。

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