ロゼッタストーンをやってみたら発音チェックがアレだった

rosettastone 英語教材レビュー

こんにちは。

白髪老師のサバ男です。

外国人に日本語を教えています。

英語の学習教材でかなり知名度があるのがロゼッタストーン。

以前、大きい本屋さんの外国語学習コーナーで、PC用のソフトとして売っていたのをみたことがあります。

この頃のロゼッタストーンは数万円以上してかなり高価でしたが、現在ではソースネクスト社に権利が移っており、安価で購入できます。

私もアメリカ英語(初・中級編)を購入してレッスンをやってみました。

使ってみた感想を書いてみたいと思います。

ロゼッタストーン 英語(アメリカ)

販売業者 ソースネクスト株式会社
運営責任者 執行役員 柳沼友香
所在地 東京都港区東新橋1-5-2 汐留シティセンター33階
電話番号 03-6254-5231
お問い合わせ窓口 0570-035-333(IP電話からは082-553-1081)

 

ロゼッタストーンとは

ロゼッタストーンは、イギリスのRosetta stone社が開発した語学学習ソフトです。

日本では英語以外の言語も展開していて、2022年現在24もの言語の学習が可能になっています。

英語については、アメリカ英語とイギリス英語があり、さらにアメリカ英語の場合は中上級編も用意されています。

また、Webアプリとなっているのでネット環境があれば、PCやスマホなど複数のデバイスから使用可能です。

ロゼッタストーンの特長

私が使ってみて感じたロゼッタストーンの特長は2つです。

「日本語禁止」「音とビジュアルでの記憶」です。

日本語禁止

ロゼッタストーンでは日本語が使用されておらず、音声にしろ文字にしろ、すべて学習対象言語が使われています(初・中級編の場合)。

外国語を学習する時は大事なことで、なるべく母国語は排除するのが望ましいです。

日本語を媒介すると、どうしても日本語の思考回路を通ってしまうからです。

いいたいことをイメージして言語化するときに日本語の文を思い浮かべてしまうと、そこから英語に翻訳しなければなりません。

これではスムーズな会話は不可能です。

イメージしたものからダイレクトに英文が作れるように訓練を重ねる必要があります。

そのためには日本語禁止は有効な方法と言えるでしょう。

音とビジュアルでの記憶

単に日本語禁止といっても、文字だけではなかなか覚えられるものではありません。

ロゼッタストーンは画像・音声・文を使って意味を直感的に理解できるような工夫がされています。

画像を見て音声を聞き、英文を読むことで、学習対象となる表現を記憶していく方法です。

世界中で売れているだけあって、よく考えられていると思います。

ロゼッタストーンのメリット・デメリット

ロゼッタストーンで学習する場合のメリットとデメリットをまとめてみました。

メリット

・英語学習ソフトとしては破格の安さ

英語学習ソフトは数万円するのが普通です。

かつてはロゼッタストーンもそのくらいの価格でしたが、現在では標準価格が5,478円となっています。

限定価格でさらに安く購入できる時期もあり、コストパフォーマンスとしては群を抜いていると思います。

・日本語ガイドがない

ロゼッタストーンは、レッスン中に日本語のガイドはありません。

英語を話すとき、初心者はどうしても日本語で考えてそれを英語にしてしまいます。

ロゼッタストーンでは英語表示だけなので、英語で考える習慣ができます。

・繰り返し同じ表現の練習ができる

覚えるためには、学習する表現をいろんな方法で繰り返し練習することが大事です。

単語を覚えるのも、一回読んだだけでは覚えることはできないですよね。

ロゼッタストーンでは、一つのレッスンで同じ表現が繰り返しでてきます。

それだけ記憶に残りやすくなります。

・Webアプリなのでいろんなデバイスで使える

英語学習ソフトはPCにインストールすることが多いです。

ロゼッタストーンの場合はWebアプリなので、インストールは不要。

別のPCやタブレット端末、スマホなど別々の場所やデバイスでも学習できます。

デメリット

・発音チェック機能が甘い

レッスン内容には発音や会話のタスクがありますが、発音チェック機能が甘いです。

中には表示された英文と異なった内容で話しても、正解になることがあります。

発音を強化したいと考えている人にはあまり向きません。

・日本語ガイドがない

メリットと裏表ですが日本語ガイドがないため、英語の意味を確認したい場合は自分で調べる必要があります。

基本的には中学英語レベルなので理解するのにそれほど苦労するわけではありません。

ただ間違えて覚えているような場合、画像と英文の内容が一致しない場合があります。

この時は自分で調べなければいけません。

・書く練習がない

外国語学習では「読む・聞く・書く・話す」といった四技能の内容をバランスよく行うのが効果的です。

ロゼッタストーンでは「読む・聞く・話す」の練習はありますが、「書く」練習はありません。

書く練習をするには、画面を見ないで聞いた英文をノートに書きだすといった自分なりの工夫が必要になります。

ロゼッタストーンを使ってみての感想

ロゼッタストーンアメリカ英語初・中級編は1ユニット当たり5つのレッスンがあり、全20ユニットで合計100レッスンの構成。

最後の5レッスン目ではマイルストーンということで、ユニット全体の復習問題となっています。

全体はレベル1~5に分かれていますが、あまり気にする必要はないと思います。

レッスン内容は「見て聞いて読んで」の繰り返し

レッスンの中心はレッスン1から4まで。

最初にそのレッスンで行う内容をコアレッスンとして全て行います。

それから、発音・語彙・文法・リスニングと読解・読解・リスニング・会話と続き、最後に復習を行います。

発音から会話までは、こんな感じでレッスンが進みます。

・発音

pronounce

・語彙

・文法

grammar

・リスニングと読解

・読解

・リスニング

・会話

まず画像が示され、その画像に該当する表現を学んでいきます。

発音・会話以外は、正解の表現を選択する形。

中には全く同じ内容もあります。

というよりも、同じ内容を「見て聞いて読んで」を繰り返し行うと言った方がいいでしょう。

わざわざ文法や読解などに細分化する必要があったかは少々疑問ですが、同じ表現を何度も練習するのはより記憶に残りやすくなるので悪くないやり方だと思います。

ただ、英文作成や語彙のタイピングなどは行いません。

単語のスペルを覚える意味でも「書く」タスクがあってもよかったと思います。

発音のチェック機能は期待できません

問題は発音のレッスンです。

表示された英文を読む練習や、流れた音声のリピート練習などがあるのですが、発音が正しくないと正解になりません。

ところが、このチェック機能にはあまり期待しないほうがいいです。

例えば、会話レッスンの I like Italian food and German food. という英文。

ItalianやGermanをChineseやJapaneseに変えても正解になってしまいます。

おそらく英文の中にキーワードが設定されていて、そのキーワードが認識できれば正解にしているのだと思います。

このあたりはGoogleドキュメントの音声入力でも時間を要しますから、Webアプリの限界かもしれません。

PCにインストールする形式であれば、もうすこし機能するのではないかと思います。

ロゼッタストーンを外国人向け日本語教育にあてはめてみると

外国人が日本語を勉強する場合、多くの人は日本語学校に通います。

日本語学校で勉強すると、比較的短期間で日本語が話せるようになります。

多くの日本語学校が行っている初級者向けのレッスンは以下のような流れ。

japaneselessonseq

日本語レッスンでは短い文を使って学習対象の表現を説明します。

これが導入です。

それから、学習表現をつかってリピート練習や語句を入れ替えた代入練習を行います。

練習の後で、実際に使用する状況を使って会話練習を行う定着の確認を行います。

導入→練習→定着の確認。

これを学習項目ごとに繰り返していきます。

ロゼッタストーンを日本語教育にあてはめてみると、導入・練習はよくできていると思います。

特に何度も同じ練習を行いますので、愚直に取り組む人であれば効果が上がると思います。

ロゼッタストーンの口コミ

口コミは全体的に好意的な内容が多いです。

良い口コミ

まずは良い口コミから。

good

私は以前、ロゼッタストーンでフランス語と英語を受講していました。パソコンを使っての勉強になるので、初心者でこれから外国語を頑張ろう!と思っていらっしゃる方には、ゲーム感覚で楽しむ事ができるかと思います!

高校時代や中学校時代の参考書を引っ張り出してきたり、単語帳をとにかく覚えようとしても、すぐに飽きてしまって続かなかったのですが、ロゼッタストーンはゲーム感覚ででき、いつの間にか時間が経ってて達成感もあります。英語を毎日「聞いて、話す」というトレーニングのおかげで、いつの間にか単語力もついており、一石二鳥でした。

最初は「一日10分でも、時間があるときに・・・」と思って始めたものの、週末などは気がつくと数時間が経過しているほど、楽しく学べるソフトです。そうです!実はスクーリングではなく、映像と音声が収録されたCDソフトです。だから、自分があいている時間に勉強できて、うまく理解できなかった部分も繰り返しやれるのでおすすめできます。

悪い口コミ

それほど多くはないですが、あまり効果を感じなかったという感想もありました。

boo

せっかくなので、レベル1から始めましたが、私が飽きっぽいのか、結構すぐ飽きてしまいました。もしかしたら自分のレベルに見合った所から始めなかったのがいけなかったのかもしれません。

どちらかと言うと英語の感覚を把握する形の教材ですので、どうしても語彙の強化は他の教材などで補わないといけないです。

今LEVEL5の途中ですが、LEVEL5をクリアしてもビジネス英語が話せるようになるわけではありません(LEVEL10ぐらいまであるとよかったかも?)仕事で英語を使う機会のある方は、ロゼッタストーンを卒業後に別のソフトや書籍で勉強したほうがよいと思います。

ロゼッタストーンの評価

ロゼッタストーンは世界中で累計100万人以上の利用者がいる教材。

これだけの人たちに支持されているにふさわしい内容だと思います。

練習を繰り返し行うことで、英語力がアップするのは間違いないでしょう。

レッスン内容も工夫されていて、ゲーム感覚で進められます。

ただし、これは諸刃の剣。

タスクを消化することで満足してしまう恐れがあります。

目的はあくまでも英語が話せるようになること。

そのためには、覚えるまで何度も何度も練習を繰り返さなければいけません。

一度やっただけで終わった気分になる人には効果がないと思います。

また、日本語の表記がありませんから、初心者にありがちなどうしても日本語で意味を把握したいと考える人も難しいでしょう。

あと、発音のレッスンではうまく認識してくれませんから、発音の練習用に考えている人はちょっと失望するかもしれません。

まとめ

これまで見てきた通り、ロゼッタストーンの内容は世界中で評価されているだけのものはあります。

いくつかの不満点を除けばコストパフォーマンスも悪くなく、初心者がまずとりかかるのに悪くはない教材です。

ただし、私がやってみての感想としては発音チェックの弱さがどうしても気になります。

日本人の英語の弱点は発音ですからね。

もうひとつ、私のPC固有の問題かもしれませんが、Windows10のEdgeを使っているのに読解や語彙の画面でみてわかるように、画面が崩れることがあります。

もしバグが内在しているのであれば、なんとかしてほしいところです。

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白髪老師のサバ男でした。

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